「父が釣り上げたまぐろを使って飲食店を開きたい!」逆境をさまざまなアイデアで切り抜く。親父のまぐろ・津多社長の起業エピソード

「沖縄の経営者特集!」第135弾。今回は豊見城市で県産生まぐろを提供する飲食店、「親父のまぐろ」の津多賢治社長をご紹介します。
観光客・地元客の憩いの場である瀬長島になるウミカジテラスと、イーアス沖縄豊崎店に出店している、親父のまぐろ。こちらでは、釣り上げてから一度も冷凍しない生鮮まぐろが楽しめます。
漁師である父が釣る「県産生まぐろ」を提供する津多社長へ、起業から経営にまつわるさまざまな想いを伺ってきました。
起業はまぐろ漁師だった父の影響

取材班:まずは起業されたきっかけからお伺いしているのですが、津多社長は沖縄のご出身でしょうか?
津多社長:出身は石垣島ですが、進学の兼ね合いで大阪に長く住んでいました。卒業後は飲食店をはじめ色々な業種を転々としましたね。
結婚して子供が生まれたこともあって、沖縄に戻ってきました。
取材班:そうだったんですね!大阪での起業は考えなかったのでしょうか。
津多社長:子育てには沖縄が良いなと思っていて、両親も石垣島から沖縄本島に移住していたので私達も沖縄本島への移住を決めました。
その時も仕事は飲食ではなく営業をやっていたのですが、知り合いから「瀬長島に商業施設が出展者を募集している」という話を聞いたんです。
ウミカジテラスは、地産メニューをメインにしたグルメやスイーツショップ、お土産店などが並ぶ沖縄の新しい観光・ショッピングスポットだと聞いて、こういう場所で以前より夢だった飲食店をやってみたいと思い立ちました。
取材班:なるほど、そこから起業を決意されたのですね!
津多社長:僕の父がまぐろ漁師だったので、どうせなら父の釣り上げたまぐろを使った飲食店を開きたいと思っていたんです。なので店名も「親父のまぐろ」と名付けました。
じつは、まぐろ漁師になる前の父は元々サラリーマンでした。
それなのに、ある日「好きな事をやりたい!」と言って、約10年前にマグロ漁師の知識も無いのに漁師になったんですよ!

取材班:それは凄いですね!お父様もなかなかチャレンジャーと言いますか…(笑)
津多社長:父は昔から自給自足の暮らしに憧れていたらしいんですけど。でも母は反対派で、よく「1人で行け」って言われていました(笑)
実際、僕も漁師になればとは言われていたんですけど、なかなか船酔いが克服できなくて(苦笑)
あと、まぐろのお店を開きたいと思った理由はもう一つあります。
親父が釣上げたマグロで大きいサイズは漁港に卸して、そのマグロは
競り人→スーパーや飲食店→お客様という流れが一般的だと思うのですが、親父は自分で釣上げたマグロを食べているお客様の顔は見れないじゃないですか。
親父が釣上げたマグロを美味しいって食べるお客様が見れるお店を作りたいと思ったんですよね。
取材班:お父様の釣ったまぐろを、もっとたくさんの人に食べて欲しかったのですね。
「初めての起業」仕入れや集客の大きな壁

取材班:津多社長が起業されてから、今までで一番大変だった出来事を教えていただけますか?
津多社長:元々、飲食店で長く働いていた経験もあったので、「なんとかなるだろう」と漠然と思っていました。ですが、自分主体でお店を回していくことは初めての経験で、苦労しましたね…。
オペレーションは特に問題ありませんでしたが、仕入れの部分が上手くいかず、開店当初はお客様もたくさん来てくれましたけど、よく商品を売り切れにしてしまいました。
本当、分からないことだらけで大変でしたよ。
取材班:お店はご家族で経営なさっていたのでしょうか?
津多社長:もともと、お店は1人でやっていくつもりでしたが、無謀でした。
商業施設という事もありオープンから忙しく、経験不足もあり妻に手伝ってもらっていました。3年目頃からスタッフを雇い、妻もやっと休みを取る事が出来るようになりました。
取材班:なるほど。でも意外ですね、起業当初は集客に困る社長様が多い印象でしたので…。
津多社長:集客に関しては、夏は問題ありませんでしたね。ただ、冬はほとんど来客がありません。
出来たばかりの施設なのでお店の認知度も低いですし、寒さもあって海辺の店舗に人は来ないわけですよ。
当時は「お店が潰れるんじゃないか」とばかり考えていました。SNSで宣伝したり新メニューをいっぱい考えてみたりしましたけど、あまり効果が得られなかったんですよね。
取材班:確かに、ウミカジテラスは場所的に冬は寒いですし、観光シーズンの夏よりは集客が難しくなりそうです。
「季節の流れで集客も変わる」徐々に掴めたお客様の流れ
取材班:そのような壁を津多社長はどのようにして乗り越えられたのですか?
津多社長:乗り越えたというよりは、ギリギリで耐え忍んでいた感じですね(苦笑)そこで、お客様と積極的に会話をするように心掛けました。観光のお客様に「どこから来られたんですか?」とか地元の方にも色々話しかけていましたね。
素材や味はもちろんですが、人と人なんだなと気づきました。
有難い事に春休みの時期に入ったタイミングで、県外からの観光客が徐々に増えてきました。そのあたりから、僕も徐々に人の流れが掴めるようになり、常連のお客様がいつのまにか出来たり…。有難いことに、今では夏休みに入ると「去年も来ましたよ!」と言ってくれるお客様もいらっしゃいます。
取材班:そうだったのですね!きっと、津多社長のお人柄があってこそだと思いますよ!
津多社長:僕よりも、どっちかと言えば妻の人柄が大きいかもしれません(笑)
あとは、まぐろの新鮮さにとことんこだわっているので、まぐろファンになっていただけたんだと思います。
実は沖縄って、まぐろがそこまで有名ではありませんが、実際は意外とまぐろが釣れる地域なんですよ。漁獲の50%以上はまぐろだと言われているぐらいですから。
僕らのお店では、沖縄で釣れた近海まぐろを冷凍しないで提供することにこだわっているんです。「生まぐろ」「生鮮まぐろ」といった呼び方をしますね。
取材班:名前を聞いただけで美味しそうです…!
津多社長:地道に沖縄のまぐろについて発信し続けていたので、県外の人にも「沖縄のまぐろは美味しい!」ということが伝わったのだと思います。
口コミや友だちを連れてきてくれるお客様も増えましたし、4年目くらいから外国人のお客様も徐々に増え始めました。韓国や台湾の方が多かったですね。
コロナが流行する前までは、本当にたくさん来店してくださいました。
取材班:外国の方にも、沖縄のまぐろが美味しいと気づいてもらえたのですね!早く以前のように、多くの方が親父のまぐろを食べに来沖できるようになると嬉しいですね。
路面店や「わさび油」の販売に力を入れていきたい

取材班:津多社長が持つ今後のビジョンについてはいかがでしょうか?
津多社長:ゆくゆくは、路面店を出してみたいと考えています。それも、ただまぐろを提供するだけのお店ではなく、裏メニューも話題性があるというか。
例えば、お蕎麦屋さんなのにカレーが美味しいお店ってありますよね?そういうお店も面白いなと。
表メニューはもちろんまぐろですけどね(笑)
取材班:路面店で気軽に美味しいまぐろを楽しめるのは良いですね!まぐろに関連する別メニューも美味しいって、話題にもなると思います。
津多社長:あとは、マグロのカフェや居酒屋もやってみたいですね。
ほかにも商品の販売もしていて、こちら僕たちのお店で実際に使っている「わさび油」になります。
ハワイでよく使われている調味油なのですが、しっかりわさびの香りと風味もありつつ、液体なので醤油にサッと溶かして使えます。
よく、お客様から「これ販売していないんですか?」って聞かれることが多かったので、お店でも実際に販売しようと決めました。
このわさび油の販売にもどんどん力を入れていきたいですね。今だと、ドンキホーテやAmazonでも購入可能です。
取材班:わさび油!私も今すごく気になっています…。納豆やパスタなど、色々なお料理に使えそうですね。
前に進むことで色々なことが学べた

取材班:最後に起業したい方へ向けてメッセージをお願いします。
津多社長:起業が成功するかどうかは、色々な要因があると思いますし、やってみないと分からないですが、私のお店の場合は、特にストーリー性が重要だったなと思います。僕も「お店やらない?」と言われたときに、父が漁師でなければ起業しなかったと思います。
あとは、飲食店をやりたい夢を叶えるなら今だという勢いで進んだ感じですね。でも、前に進むことで経営ノウハウだったり、おお客様が来店してくれる喜びだったり、スタッフを雇う事だったり、同業者の仲間にも出会え、色々なことが学べました。
これって、起業してみないと分からないことですよね。
僕自身、色々な喜びや経験が学べたこともあって、起業して本当に良かったと思っています。
取材班:様々な発見と学びを得るためにも、一度やってみる勇気が大事だと。
津多社長:やらないと分からないことが多いですから。それこそ、妻と一緒に仕事した事なんて今まで一度も無かったのですが、テキパキ動くし、接客でお客様とガンガン仲良くなるし、色々細かい所気付いてくれるので、凄い見直しました。
これも、ある意味起業したからこその新発見です!
取材班:確かに、それもある意味起業したから学べたことですね!津多社長、貴重なお話をありがとうございました。
親父のまぐろの事業所情報はこちら

様々な試行錯誤を重ねながら、美味しい沖縄のまぐろを提供し続ける、親父のまぐろ。
逆境に耐え、「とにかく前に進むことで色々なことが学べる」と語る津多社長の姿を見て、起業に挑戦する勇気を貰えたと思います。
何事も他責にすることなく、新しいアイデアを生み出すことが大事だと強く思えたインタビューでした。
明るく家族想いの津多社長が代表を務める、親父のまぐろの事業所情報は下記よりご確認いただけます。
| 事業所名 | 親父のまぐろウミカジテラス店 |
| アクセス | |
| 住所 | 〒901-0233 沖縄県豊見城市瀬長174-6 ウミカジテラス内14 |
| 電話番号 | 098-996-2757 |
| ウミカジテラスHP | https://www.umikajiterrace.com/profile/mirai/ |
| 事業所名 | 親父のまぐろiias沖縄豊崎店 |
| アクセス | |
| 住所 | 〒901-0225 沖縄県豊見城市字豊崎3-35 iias沖縄豊崎1階 |
| 電話番号 | 098-996-2343 |
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