2憶4千万程の借金を抱えながらも「立ち向かってやろう!」と決断し事業を継いだ。有限会社兼城自動車整備工場・兼城社長の奮闘エピソード

「沖縄の経営者特集!」第137弾。今回は、うるま市にある有限会社兼城自動車整備工場の兼城力也社長をご紹介します。

お客様の「心のよりどころ」になるために、日々自動車販売や整備などの事業に取り組んでいる兼城自動車整備工場。安全で快適なカーライフを通じて地元沖縄に貢献することをモットーに、2020年には創業60周年を迎えています。

地元から愛される会社の代表である兼城社長へ、事業を継いだきっかけや大変だった事などを伺ってきました。

「立ち向かってやろう!」未経験ながらも自動車事業を継いだ強い意思

取材班:まずは起業されたきっかけからお伺いしているのですが、兼城自動車整備工場は創業60周年ということで、兼城社長は二代目になるのでしょうか?

兼城社長そうですね。僕が起業したというわけではなく、先代が1960年に会社を立ち上げました。
沖縄戦が終結してすぐに二輪のレンタルから事業をスタート。その後、車が国内に増えてきた頃に二輪から四輪に事業を転換してきました。

取材班:地域のインフラをずっと支えてきた長い歴史があるのですね。兼城社長は、もともと会社を継ぐ予定でいたのですか?

兼城社長最初は、まったく引き継ぐつもりはありませんでしたよ(笑)
高校卒業後はアメリカに就職していましたし、中国にある支店で働いていた時期もありました。

取材班:その頃は、どういったお仕事をされていたのですか?

兼城社長貿易関係の仕事ですね。ただ、毎年沖縄に里帰りはしていたので、帰国するたびに両親に会社の状況を聞くようにしていました。
すると、じつは苦しい状態が長く続いていて、役員の給料が半年遅れるほど、資金繰りが厳しい状態だと分かりました。それを聞いて「大丈夫だろうか?」と心配になりましたね。

ちょうどその頃、僕的にも中国の事業はやり切っていた部分もあり、次の展開を考えていたタイミングでもありました。
なので「もしかして事業を継いだら、自分磨きができるかもしれない」と考えたんです。

取材班:苦しい状況にあるからこそ成長できるかもしれない、ということですね。

兼城社長車のことなんて何も知らない状態だったんですけど、あえて厳しいところに行ってみたくなって(笑)
その当時、会社が2憶4千万程の借金を抱えていましたが、「立ち向かってやろう!」と決断して沖縄に帰ってきたんです。

取材班:2憶4千万ですか!(驚)それでも自分を高めるために事業を継ぐと決意されたとは、凄まじい挑戦力ですね!

思いがバラバラで共通の目標を持てない苦しさ

取材班:兼城社長が事業を継がれてから、大変だった出来事を教えていただけますか?

兼城社長人との関わり方には苦労しました。当時の僕は、とにかく「自分は何でもできるんだ!」という感覚に陥っていたのが原因ですね。
中国では20名程のスタッフが在籍している支店長を担っていたので、結構自信はあったのですが…。

でも工場を継いだ時は、新しい事業に挑戦することに慣れていないスタッフが多く、さらには給料も満足に支払われていない状況でもありました。
現状維持型の企業で何か新しいことをやっていこうとしても、思いの強さがバラバラだったので共通の目標を持てないんですよ。

取材班:なるほど、以前の企業とのギャップも大きかったと。

兼城社長最初の2、3年は父親とも喧嘩ばかり(苦笑)お互いがお互いを認めないから、事業がまったく進みませんでした。
借金を抱えていたこともあり、落ち着いて物事を考える余裕が持てませんでしたね。

そんな最悪の中でも、集客をどうやるか、どうやって生産性を高めるか考えていましたが、それも全部1人でやっているので、自分の鉄板だけが熱くなっちゃっている状態で…。
組織全体で同じベクトルを向いて前に進むことができていませんでしたね。

取材班:本当にギリギリの状態で踏ん張っていた感じだったのですね。

自分自身が経営のイロハを学んだ

取材班:そのような壁を兼城社長はどのようにして乗り越えられたのですか?

兼城社長最初は、僕が経営について学ぶことから始めました。物事には原理・原則があるのに、それを知らずに事業を展開しようとしても途中でコケてしまいます。
なので、経営のイロハを学ぶために、勉強会に参加したりコンサルを付けたりしました。それも、自分だけじゃなくて幹部たちにも学んでもらったり。

取材班:それは、経営を理解したスタッフを増やすためでしょうか。

兼城社長当時、僕は26~27歳ぐらいだったのですが、若さもあって、経営のことを下に落とし込もうとしても、なかなか上手く伝わらない部分が多かったんです。
ある程度、経験のある方に伝えてもらった方が良いと思い、幹部たちも積極的に巻き込んでいきました。

そうやってマーケティングも徐々に進めながら、事業の改善も繰り返していくと、少しずつお客様が増えていきました。

取材班:試行錯誤しながら何か1つ達成できると、会社の自信にも繋がったのではないでしょうか。

兼城社長「もしかして自分たち、出来てる?」って感覚になりますしね(笑)
そのうえ、今まで未払いだった給料までしっかり支払えるようになると、1つ上のステージに入れたことが分かるんです。
その結果、次第に経営とは何か理解できるようになり、関わっている人たちの考え方も少しずつ変わっていきました。

今までは一切していなかった車検の案内を徹底したり、販売部門を作ったり、レンタカー会社と提携したり、徐々に事業も拡大していきました。

「車を通して心を動かす体験と安らぎを提供する」

取材班:兼城自動車整備工場様のアピールポイントをお伺いしてもよろしいでしょうか。

兼城社長弊社は車を販売したり車に困っている方にサービスを提供する車屋ですが、「自分たちの本当の商品って何?」と問われたときに定義しているのは、「車を売っているわけではなくて、車を通して心を動かす体験と安らぎを提供する」ことです。
これが、僕たちの使命だと思っているんですよ。

取材班:体験と安らぎですか?

兼城社長車を購入するタイミングって、社会に出るときや家族が増えたとき等、色々あると思います。
その節目って、実はその人の人生における分岐点であり、その分岐点に関われている僕たちは、とても貴重な存在だと思っています。その方のライフステージに合わせて、いかにその方に合った車を提供できるか考える。
でも、購入の決め手になるのは「体験」なんですよね。

取材班:なるほど。ちなみに体験と言いますと…?

兼城社長例えば、自分の話をよく聞いてくれたという体験や、背景を理解してくれたという体験。こういった体験こそ、僕たちが本当に提供している商品だと思います。
販売からアフターサービスまで、お客様にしっかり寄り添っていけるようにしたいですね。

よくスタッフに話すのが、「その方の人生の途中に、ハートステーション兼城自動車がある」って(笑)ガソリンスタンドのようなイメージですよね。
いつでも、お客様の心の依り代になれることが目標です。

取材班:素敵なコンセプトですね!私も、心の依り代になってくれる方から車を購入したいです(笑)

IT事業やEV事業に力を入れていきたい

取材班:兼城社長が持つ今後のビジョンについてはいかがでしょうか?

兼城社長今、自社で整備システムを開発しています。IT事業に力を入れて、オンプレからクラウド化を目指しています。
クラウド化ができれば、お客様と24時間繋がることができたり、リアルタイムで財務管理ができたりします。事業の効率化も大きく図れますし、顧客満足度も上がるはずです。

こういったシステムを、将来的には全国の自動車事業に展開していきたいですね。

取材班:そうなると自動車事業全体がかなり盛り上がりそうですね!

兼城社長それからもう1つ、EV事業も始めようと計画中です。
電気自動車の時代がこれから間違いなく来ると考えているので、EV車が取り扱える会社になれれば、移動手段のサービス領域も増やすことが可能です。

これは先駆けで誰よりも先にやりたかったので、実際もうすでに動き始めています。電気自動車はかなり高額なので、ターゲットは法人、経営者、役員、金融やITに勤める方に定めていますね。

取材班:時代の先を見据えた、新しい事業もどんどん取り入れているのですね。

自分の人生を豊かにできる最高のポジション

取材班:最後に起業したい方へ向けてメッセージをお願いします。

兼城社長まず、経営は楽しい!ということです。経営者って、「自分の人生を豊かにできる最高のポジション」だと思っています。

すべての責任は自分にありますけど、逆に言えばどうにでもなれるので自由度も高い。苦難の連続ですけど、それをいかに楽しむかというマインドが重要だと思います。

取材班:なるほど。苦難を乗り越えるモチベーションとは一体何なのでしょうか。

兼城社長僕自身、新しい物を作るのが楽しいですね。もっと言うと、壊れかけたものに新たな命を吹きかけるのも楽しいです。
1番のモチベーションが、知らないことを知ることなんですよ。

例えば、始めて見る料理が美味しいかどうかって、食べてみないと分からないじゃないですか。「じゃあ食べてみよう」って思えるかどうかが、起業において一番大切だと思いますね。

取材班:挑戦心の大切さですね。今回のお話を聞いて、起業を目指している方の挑戦心も大きく掻き立てられたと思います。

本日はインタビューで伺いましたが、良いお話をたくさんお聞きすることができました!
兼城社長、貴重なお話をありがとうございました。

有限会社 兼城自動車整備工場の事業所情報はこちら

「車を通して心を動かす体験と安らぎを提供する」という素晴らしいコンセプトのもと、常にお客様に寄り添ってきた兼城自動車整備工場。

「経営者とは、自分の人生を豊かにできる最高のポジション」と語る兼城社長の姿から、私自身の挑戦心も大きく掻き立てられました。

そんな兼城社長が代表を務める、兼城自動車整備工場の事業所情報は下記よりご確認いただけます。

事業所名有限会社兼城自動車整備工場
アクセス
住所〒904-2205
沖縄県うるま市栄野比715-1
電話番号098-972-4384 / 050-5268-8010
公式HPhttps://kaneshirojidousha.com/

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