お笑いが好きで、芸人さんが思いついたアイデアを実現できるシステムを作りたくて法人化した。株式会社lollol・キャン社長の起業エピソード

「沖縄の経営者特集!」第31回!今回は株式会社lollol(ロルロル)、キャンヒロユキ社長をご紹介いたします。
テレビやラジオをはじめ、舞台の企画や構成、脚本まで幅広く手掛けるキャン社長。もともとフリーで活躍しており、株式会社lollolを立ち上げたのは2020年のこと。

なぜ法人化したのか、そしてこれからどのように事業を進めていくのか、キャン社長に色々と伺ってきました。

起業は先輩からの一言に調子に乗ったことがきっかけ

取材班:株式会社lollolは2020年9月に立ち上げたということですが、そもそも起業のきっかけは何だったのでしょうか?はじめは沖縄放送作家の第一人者と伺いましたが。

キャン社長:そうですね、僕は大学在学中からフリーランスで放送作家になりました。当時、沖縄には放送作家という仕事はなく、お笑いやバラエティが好きなのでFECという事務所に入ったんです。
その時リーダーをされていた山城達樹さんから、「沖縄には放送作家がいないから、君が第一人者だよ」と言われて調子に乗って(笑)在学中から始めましたね。
でも、最初はなかなか仕事に結びつかなくて…。大学を卒業してから、東京でお笑いやバラエティの修行をしようと思い、東京NSCという吉本の養成所に行きました。

4年後に沖縄に帰ってきて、テレビやラジオの番組を作ったりしながら、今に至ります。この期間を経て強く思ったのが、東京でも沖縄でも、芸だけで食べていける人は少ないという現実です。

そこで、芸人さんが芸の仕事だけで食べていけるようにしたいな、という想いと、オンラインの投げ銭的なシステムを、リアルなライブでもできたら便利だな、ということを考えるようになりました。

取材班:確かに芸人一本で生活できる人は少ないイメージがあります。投げ銭システムとはどのような感じでしょうか?

キャン社長:例えばライブを見ていて、ネタが面白かったらスマホを振って、チャリン、チャリン、チャリンと300円入る…ということはできないかと考えて、知り合いのITの会社で作ってもらいました。
お笑い事務所のオリジンさんとFECさんに協力してもらい、実際に2020年の1月か2月くらいに、小さなライブで試してみようかと予定していたんです。

僕が舞台に出て、お客さんに「面白かったら、アプリでチャリン、チャリンとやってみてください」とお願いするつもりでした。アプリから直接お金は振り込まれませんが、アプリで投げ銭してもらった分を、出口で徴収するというシステムです。

でも、本番の1週間くらい前にコロナが流行し始めて、ライブが軒並み中止になりました。それどころか、事務所も、芸人さんやエンタメを作り上げる代理店さんも、仕事が無くなってしまって。

そうした問題を根本から変えるために、何かできないかな…と、ずっと考えましたね。
それで、「ITの力が役立つんじゃないか?」と。芸人や演劇は非常にアナログの世界なので、ITと掛け算すると、より新しいことができるんじゃないかと閃いたんです。

取材班:なるほど。ITとの掛け算ですか。

キャン社長:投げ銭の他に、もっといろんなことができないかと考えている時に、沖縄のIT支援をするISCOで働いている後輩から「企画をISCOに応募して採択されたら、プロトタイプを作れますよ」と聞いて。そこに出したのが「UNIQUE(ユニーク)」という企画です。

UNIQUEは、芸人やエンタメの人が、自分の思いついた商品などをフリーマーケットのように並べられるプラットフォームです。

試作する際に、個人だと企業に依頼するのが難しいということと、いつ終わるか分からないコロナ禍で、大変だけど苦しさを見せられない芸人さんや事務所の助けとなるためには、継続的にやる必要がある、ということから法人化しました。


※UNIQUEプロトタイプ(https://unique-proto.net/

大変なことは周りの助けをもらいながら乗り越えた

取材班:もともと大変な中で法人化したとのことですが、特に大変だった出来事はありますか?

キャン社長:そうですね…実は、僕は事務作業が苦手なので、事務的なことが少し大変でした(笑)
ただ、友人に司法書士さんがいたり、後輩に行政書士さんがいたり、多彩なスキルを持つ方々が周りにいたので、本当に助けてもらいましたね。

この事業の他に、僕はフリーランスで続けている放送作家や脚本家、吉本の養成所の講師、高校の数学の教員もやっていて、それぞれに給与があって、役員収入もあるので、それらをどう処理したらいいのか困ってしまって。
たくさんの人からアドバイスをもらいつつ、何とかやっています(笑)

取材班:苦手なことや大変なことも、周りの人に助けてもらいながら乗り越えてきたということですね。人脈の大切さが分かる体験談です。

ITで芸人やエンタメの新しい需要を作り出す、新しい取り組み

取材班:事業内容としては、具体的に何を行っているのでしょうか?

キャン社長:今はね、UNIQUEのプロトタイプを開発しているところです。皆さんに、「芸人さんがこんな面白い商品を並べたページをどう思いますか?感想をください!」とアンケートをとっていますよ。
まだ開発途中ですが、基本的には、ITで芸人やエンタメの新しい需要を作り出すプラットフォームサービスの運営ですね。

取材班:UNIQUEを拝見させて頂いて思ったのですが、お笑い界では非常に新しい取り組みですよね?

キャン社長:そうですね。芸に値札を貼るようなものですから。嫌がる人もいると思いますが、僕は良いことだと考えています。

日本の芸能界といえばマネジメント契約が普通なのですが、実は海外はエージェント契約が多いのですよ。なので相手と対等に、やりたいことをやりたい人とやりたい値段で仕事ができるのでしょう。

それに「誕生日のメッセージ〇〇円!」「フラれた友人への励まし〇〇円!」など、芸人さんがパッと思いついたアイデアを、パッと売れる(買える)ようになったら、面白くないか?と思い、このような仕組みを作った次第です。

取材班:ちょっとしたネタを低価格で売れる・買える仕組みですか、面白いですね!

キャン社長:購入ボタンを押したら、芸人とチャットでやり取りできるようにしたり。芸に値段を貼るって、低価格なら僕は良いと思っているんですよね。その方が依頼しやすいですし、CM出演などの高額なものはやはり事務所が主導にならなければ契約などで問題が起きるので。
今は一般人もSNSやYouTubeで芸を披露できる時代なので。

伝統芸能の方にも使ってほしい

取材班:キャン社長の今後のビジョンを教えてください。

キャン社長:沖縄の芸人さんやエンタメの方に、UNIQUEをたくさん使ってもらいたいです。
エンタメというのは、ミュージシャンとかパフォーマーだけでなく、三線奏者などの伝統芸能の方も含まれています。
後は、コロナでエイサーもできなくなったので、オンラインで演奏して華やかしたり、踊りを教えたり、いろいろな使い方ができると思います。
これまでアナログ的な活動をしていた人達に知ってもらい、さらには県外の方、全国のエンタメの方にも使ってもらいたいですね。

取材班:夢が広がりますね!

キャン社長:「UNIQUE」という言葉には、人を笑わせたり、驚かせたりという意味合いがあるんですよ。人は皆それぞれにユニークなところがありますよね?
僕は、ユニークは「おもしろい」ではなく「その人らしさ」だと思います。

例えば8人の子供を産んで育ててきたお母さんは、とてもユニークです。そういう人が、子育てに悩むママの相談をオンラインで聞くよ、というのもユニークな商品になると思うので、ゆくゆくは一般の方にも使ってほしいです。

芸人とかエンタメの人だけでなく、特別なその人らしさが、少しでも売れたり、喜んでもらえるようになることが目標です。

取材班:なるほど。「UNIQUE」は、コロナがあったからこそ生まれた発想なんでしょうか?

キャン社長:というよりは、こうした仕組みの必要性をより確信した、ということはあるかもしれません。
コロナの影響により、多くのことを見つめ直す機会になったと思います。死ぬまで働いてご飯が食べられて、それで本当に家族を養えるのかと、これまでほとんど考えなかったことを、リアルに考えました。
皆、自分にできることは何か?と考えたと思うのですが、僕の回答の一つがこれで。

実は、十何年前に僕の妹と婚約者が事故で亡くなって、その時に芸人やエンタメの人に凄く助けられました。いつか恩返ししようと思っていて、それが今だと感じています。
ずっとフリーランスで起業しなかった理由の一つは、起業することは儲け第一主義みたいに思っていたからです。今は、そうではないと思いますけど。

取材班:誰かのために起業したいと思えたのですね。

キャン社長:お金だけを追いかけていく会社は、おそらくどんどん尻すぼみになっていきます。社会貢献や、何のためにやるのかということが大切です。
僕が誰のためにやるのかというと、芸人さん、エンタメの人、その周りの人、そういう楽しいことを喜んでくれる皆のために、汗かいて良いものを作ろうと思っています。

起業したい方へのメッセージ

取材班:最後に、起業したい方へのメッセージをお願いします。

キャン社長:「なぜ起業したいか」を、何度も自分に問いましょう。会社の理念もよく考えましょう。
僕の会社はlollolと言いますが、「lol」は英語で「(笑)」のような使い方をするのと、「Lots of laugh,lots of love.」の略語で、たくさんの笑いとたくさんの愛情を、という意味を込めています。

コロナになって、嘘のない世の中、社会が求められている思います。今後はそういう社会に必要とされる企業が必要と思いますので、一生懸命に頑張りましょう。
後は…僕も起業一年生だから、逆にアドバイスください(笑)

取材班:キャン社長、お忙しい中お応え頂き、ありがとうございました!

株式会社lollolの情報はこちら

今回お話を伺った株式会社lollol様には、沖縄の芸人とエンタメを愛し、恩返しをしたいと熱く語るキャン社長がいらっしゃいました。

今はまだプロトタイプの段階ですが、キャン社長の想いと、コロナという未曽有の困難によって生み出された「UNIQUE」という新しい取り組みに、今後も目が離せません!UNIQUEについて興味がある方は、ぜひ下記URLよりチェックしてみてください。

事業所名 株式会社lollol
プロトタイプ版UNIQUE https://unique-proto.net/

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