一度は諦めた夢を22年越しに叶え、多くのお客様に支えられながら続けてきた。Mermaid Bakery・與那嶺オーナーの起業エピソード

「沖縄の経営者特集!」第29弾となる今回は、宜野湾市にある個性的なパン屋、Mermaid Bakeryを経営する與那嶺オーナーをご紹介します。

出身は東京ですが、プロダイバーの資格を取得するほど海が好きで、沖縄に移住なさったそう。Mermaid Bakeryという可愛らしい店名は、そんな愛する海からきています。
店舗のショーケースには、カラフルなレインボーブレッドや、ハワイのスイーツパン、マラサダなどがずらり!

一度見たら忘れられない、インパクト大のパン屋を始めたきっかけを、明るい笑顔が魅力的な與那嶺オーナーに伺ってきました。

一度諦めかけたが22年越しに叶えた夢

取材班:Mermaid Bakeryは、オープンからどのくらい経ちますか?

與那嶺オーナー:この店は6年半ほどですが、実は22年ほど前にも北谷町でパン屋を経営していました。
ただその時は、妊娠と出産で体調を崩してしまい、1年くらいで閉めてしまったんです。軌道に乗ったところで閉めることになり、中途半端に終わってしまったので、ずっと「もう一度やりたい…!」と思っていましたが、子育て中ということもあって、なかなか実現できませんでした。
それからは自宅でのパン教室をメインに行って、子供が大きくなったのを期に、6年半前に念願のMermaid Bakeryをオープンしました。

取材班:22年越しの夢が叶ったんですね。

與那嶺オーナー:22年前と比べると沖縄もだいぶ環境が変わりましたね。昔はパン屋さん自体少なかったんですが、今の宜野湾市は小さいパン屋さんがとても多いんです。
それで差別化できる何か打ち出せるものがないとダメだと思い、ダイバー時代によく行っていたハワイの代表的なスイーツパン、マラサダを商品に取り入れました。
それから、パン屋さんと言えば茶色と白のイメージがあるのですが、外観に黄色とオレンジをたくさん使って、目立つようにカラフルなお店にしました。

取材班:とっても可愛い店舗ですよね!インスタ映えしますし。お店はお一人で経営しているのですか?

與那嶺オーナー:以前はアルバイトさんがいましたが、コロナの影響で今は一人で営業しています。
ここは住宅街でね、パン屋には難しい立地なのです。それで、日曜日に色んなイベントに参加して、パンを販売していました。
売上の半分はイベントと言っても過言ではない状態でしたが、それもコロナの影響で無くなってしまったので、今は違う方向も考えています。

取材班:コロナの流行でイベント自体減ってしまいましたしね。では今は試行錯誤の繰り返しなのですね。

與那嶺オーナー:そうなんですよ。他にもね、外国の方に地元料理を教える「エアキッチン」というサイトにも登録して、たくさんの方に料理を教えていたんですけど…。それもコロナで人がいなくなってしまって。

取材班:海外の方も今はなかなか沖縄に来れないですしね。早くコロナが収束して、色々なイベントが再開してほしいです。

イベント出店は想像以上に過酷

取材班:コロナもそうですが、経営を続ける中で大変だった出来事はありますか?

與那嶺オーナー:もう、毎日大変ですね(笑)今までで言うと、やっぱりイベントでの販売ですね。
店舗販売だと、普段1~2万円ほどしか売れないお店が、イベントに参加すると30万円も売れてしまうこともあります。
それだけの数が出るわけなので、どう作り込んで、どう工夫すれば良いかを考えました。

例えば、メイン商品であるマラサダ。ハワイでは揚げたてで食べるものなんですが、イベントでは保健所の制約が入ってしまう。
保健所のルールでは、油で揚げて提供するのは良いけれど、揚げたものに砂糖をまぶすなどの手を加えてはいけません。なので、現場でアツアツのマラサダを販売できない代わりに、揚げるだけの状態にしたカレーパンを持って行って、現場で揚げて売る、という方法にしました。
そうしたらカレーパンも売れるし、お店で作って持参したマラサダも売れたんです。

取材班:野外での飲食販売には細かいルールがあるのですね。どのようなイベントに出店されたのでしょうか?

與那嶺オーナー:那覇ではサンライズマーケットに毎月出店していましたよ。他にもフードフレア、子育てイベントゆるりなど、スケジュールが合えば参加していました。
外でのイベントは開放的で、お客様もたくさん来ますが、風でテントが飛ばされたり、大雨で全身びっしょり、持って行った物もすべて濡れてしまった、ということもあります(笑)

取材班:えぇ!?でも確かに野外だと天気の影響も大きく受けてしまいますね。

與那嶺オーナー:そうなんですよ。天気が悪いともう最悪です(笑)
でも今は、パン屋さんはお店で売るだけでいい、という時代ではないと思います。
イベントでは自分で何でも対応する必要があって大変ですが…。大きい声も出さないといけないし、楽しく仕事をしないとお客様も来てくれません。
試食してもらったり、大きい看板を作ったり、本当に色々な工夫をしました。

取材班:イベントだと、毎回準備が大変そうですね。どのくらいから準備を始めるのでしょうか?

與那嶺オーナー:大きいイベントだと、1ヶ月くらい前から作り込みをしますね。材料を冷凍したり、当日はほとんど寝ないで作業します。
パンは最初から最後の工程まで約3時間かかるんですが、それを何回転もしてから持っていくので、深夜1時頃から準備をスタートして。
お昼からのイベントでも、その時点でもうクタクタでした(笑)。
1年間イベントがなかったから、今これをやれと言われたら、ちょっと厳しいですねぇ。

取材班:凄いハードですね…それを毎週繰り返していたんですか?

與那嶺オーナー:毎週あちこちでイベントに参加していましたので、そうですね。
大きいイベントでない場合は、3時か4時頃に起きて作っていました。それが大変でしたが、慣れるもので(笑)

大変でも続けられたのはお客様の笑顔が嬉しいから

取材班:大変だったことも、これがあったから乗り越えられた!というエピソードがあれば教えてください。

與那嶺オーナー:やっぱり、イベントで美味しいと思ってくれたお客様がお店にも来てくれたり、イベントの度に来てくれたりすると嬉しいです。
でも、乗り越えてはいません(笑)イベントでは毎回アクシデントが起きます。何かが飛んで行ったり。

体力勝負なので、男の方が良かったのにな、と思うこともありますよ。イベントでテントを組んだりする時にも、隣の居酒屋さんは電動工具でウィーンとやっているのに、私は結束バンドでくくったりして。だから強風では一番に飛ばされるんです(笑)

取材班:ファンの存在に救われることが多いんですね、ありがとうございます。

お客様を感動させたい、可愛いと思わせたい!

取材班:個性的なパンを販売なさっていますが、店舗のコンセプトやアピールポイントがありましたらぜひ教えてください。

與那嶺オーナー:20代の頃、サンリオの店長をしていたほど可愛いものが好きで、子供にも大人にも可愛いと思ってもらえる要素を食にも取り入れています。
ただ食べるのではなくて、見ておいしそうとか可愛いとか、楽しめることを大切に考えていますね。小さい時に楽しんだことは、一生覚えているものですし、大人でも誰かにもらったら「わぁ!」ってなるじゃないですか。
そういう、お客様を感動させたい、可愛いと思わせたいという気持ちが商品にも表れています。

取材班:たくさんパンが並んでいますが、一番の人気商品はどれですか?

與那嶺オーナー:マラサダですね。最近は、コロナで外食しなくなったから、おうちで楽しく食べたいという需要があって、フルーツサンドも人気があります。
最初の自粛の時にバズって、今では沖縄に住んでいる外国人も来店されますよ。
ずっとおうちに居るのに飽き飽きして、何か楽しいもの・おいしいものを探して、わざわざ遠方から来たというお客様もいました。

取材班:インスタ映えしますしね!パンは気軽にテイクアウトできるので、那覇からでも買いに来たくなります。

世界情勢とニーズに合わせて柔軟に経営方法を変えていく

取材班:今後の事業展開について教えてください。

與那嶺オーナー:ただパンを売るだけ、という時代は終わったのだと思います。食のイベントは今後かなりの期間、開催できないでしょう。
なので、やり方を変えて教室にもっと力を入れていきたいですね。
パン教室には、子育て中や妊活中の方が多く参加しています。私は子育てをほぼ終えたので、そうした子育てや妊活をする人たちのために、何かできればと思っています。

例えば、ベビーシャワーの提案をしたり。ベビーシャワーとは、出産間近の妊婦さんのために、家族や友人などが集まって安産を祈願する、アメリカ発祥のパーティーです。
日本ではあまり馴染みがないですが、可愛いベビーグッズやケーキなど、出産前にお友達がギフトをプレゼントする素敵なイベントなんですよ。
Mermaid Bakeryでは、今後カップケーキなどを冷凍して発送する通販サービスを強化していきますので、ベビーシャワーで食べる、可愛いスイーツやフルーツサンドとして、ぜひご利用いただけると嬉しいですね。

取材班:面白そうですね!

與那嶺オーナー:最終的にはハワイに進出したかったんですが(笑)マラサダも、私がハワイ好きだからやっていて、何度もハワイに行ってファーマーズマーケットや食のイベントなどを見てきて、日本でもいけそうだと思って始めたので。

起業したい方へのメッセージ

取材班:ありがとうございます。最後に、これから起業したい方へのメッセージをお願いします。

與那嶺オーナー:運転資金はなるべく多く準備しておくこと。
私は起業時、運転資金が100万円ほどあったのですが、半年くらいで無くなりました。なぜ無くなったのかと考えたら、多くが人件費だったんです。飲食店は2~3人でやるイメージで、アルバイトさんを雇っていましたが、売り上げが追い付いていませんでした。だから運転資金は大事ですね。

ただ、コロナで売り方も変わってきて、ネット販売をメインにするなら、そこまで重要ではないかもしれません。私も一人ではできないと思っていましたが、できていますから。
レジが無くてもアプリで決済できますしね。今は大手企業がやっていることですが、小売りの小規模店舗もそうなっていくと思います。

取材班:與那嶺オーナー、お忙しい中での体験エピソードをありがとうございました。

Mermaid Bakeryの情報はこちら

おいしそうなパンが並ぶMermaid Bakeryには、様々な苦労をしつつも、時代の変化に合わせて柔軟に販売方法を変えていく、前向きな與那嶺オーナーがいらっしゃいました。

コロナの影響もあり、現在はパンのショーケースにアクリル板の仕切りを置いて感染症対策を行っています。
また、外にインターホンとメニューを設置し、外からでもパンを買えるようにしたり、SNSなどから「何時に何がほしい」と注文できる工夫もしているそう。
支払いはカードやキャッシュレス決済もOK。可愛くておいしいパンが食べたくなりましたら、ぜひ足を運んでみてください。

事業所名 Mermaid Bakery(マーメイド ベーカリー)
アクセス
住所 〒901-2201
沖縄県宜野湾市新城2-27-11
電話番号 098-988-1023
公式Facebook https://www.facebook.com/mermaidbakeryokinawa/

取材についてのお問い合わせ

沖縄で活躍する社長取材については、下記または右側のチャットよりお問い合わせください。担当者が折り返しご連絡いたします。取材費用、掲載費用は無料です!

 

メールでのお問い合せはこちら

電話でのお問い合わせはこちら