自分ができる方法で紅型と父の魅力を伝えていきたいと思い起業した。金城プロモーション・金城昌之社長の奮闘エピソード

「沖縄の経営者特集!」第39弾。今回は、独自の染技や配色を施した沖縄伝統工芸『琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)』を扱う、金城プロモーションの金城昌之社長をご紹介します。

偉大な琉球紅型師の金城昌太郎氏を父に持ち、歴史ある琉球紅型と昌太郎氏の魅力を発信し続けている金城昌之社長。
どのような想いやきっかけがあって琉球紅型のプロモーションを始められたのか、そして琉球紅型のこれからについてどのようにお考えなのか伺ってきました。

琉球紅型の魅力と、それを体現する父の魅力を発信するために

取材班:まずは起業のきっかけから伺いたいと思いますが、金城社長は2代目になるんでしょうか?

金城社長:いえ、実は私は紅型を技術的には継いでいないんですよ。技術は継がせないと言われた息子で、父の技術は父の代で終わりになります。

取材班:なるほど…それは息子さんのご心境としては正直なところどうなんでしょうか…?

金城社長:この話をすると皆さん「もったいない」「継いだ方が良い」というようなお話をして下さるんですが、父の考えや紅型について深く向き合っていく中で、自分としては私に継がせないという父の考えを理解しているつもりです。

私が継いでしまうと、技が確実に劣化してしまうんですよね。
父と同じように、15歳くらいから紅型一本でやってこなければ同じようなクオリティは保てないですし、それを考えるとむしろ自分が継がなくて正解だったと考えています。

ただそうやって私自身も父の考え方や紅型に深く触れていく中で、それだけ父が大切にしているものを伝えていく、発信していくという方向で貢献したいと考えるようになりました。

取材班:そうした理由があって、プロモーションをされているということなんですね、素敵です!起業されてから今年で3年目との事ですが、もともとはどのようなお仕事をされていたのでしょう?

金城社長:沖縄に戻る前は横浜で不動産の営業をやっていましたね。

取材班:そうだったんですね!沖縄に戻られたのには何かきっかけがあったんでしょうか?

金城社長:実は、当時失恋がきっかけで地球一周の船旅のピースボードに乗ったんですよ。「行けば結婚できるよ」と言われて(笑)
結局、今も独身なので婚活には失敗しましたが…(笑)
ただ、そこである青年実業家の方に出会ったんですね。
その方に「沖縄は自然も歴史も文化も良いものが沢山あるのにPRが上手くなく、勿体ない」というお話をされて。
確かにその通りだと思いましたし、父が伝統工芸士というのもあったので、一度沖縄に戻ることにしました。

取材班:そこで自ら沖縄の伝統工芸をPRしようと思われたと。沖縄に戻られてからはすぐに今のお仕事を始められたんでしょうか?

金城社長:すぐにやろうと思って話したんですが、はじめは「絶対にさせない」と言って断られました。それでも諦めきれずに、まずは地域振興の仕事をして、どうにか工芸関係との繋がりは持つようにしていました。
そうしていると工芸関係の職人の方々とも仲良くさせてもらうようになって、そこで父の凄さや想いというものを改めて知りました。

取材班:お父様の凄さというと、どういったものを感じられましたか?

金城社長:伝統工芸の職人って一般的には、問屋さんから注文を受けるのですが、父は注文を一切受けないんですよね。お客様の注文を受けると自分を出せなくなるというのと、自分が最も美しいと思っている琉球王朝時代の紅型を貫けなくなるという理由で。

それを本気で守ろうとしているのがうちの父なんですが、その考え方を貫いている人って正直、ほとんどいないと思うんですよ。

取材班:それは…かっこいいですね…!

金城社長:それを知った時に、やっぱりそういう父の紅型に対するこだわりや想いを伝えていきたいと思いました。
ただそれを伝える手段が、着物に着用する帯だけだと伝えられる範囲が限られてしまうので、そこで沖縄に元々あるかりゆしウェアに着目をして。そうやって自分ができる様々な方法で紅型と父の魅力を伝えていきたいと思い起業しました。

伝統の維持とビジネスの維持、両立することの難しさ

取材班:金城プロモーション様というと、モノクロが特徴のかりゆしウェアが有名ですが、そこで繋がってくるんですね!ちなみに起業されてから何か大変だったことはありましたか?

金城社長:お金のことで本当に悩んだということはありましたね。
うちはシャツがメインなので夏の売り上げはあるんですが、冬物のアイテムがなくて10月~2月辺りが正直厳しいんですよ。特に一昨年が本当にきつかったですね。

取材班:一昨年と言うと…起業後でシャツの方もまだ売り出すのが中々難しいということがあったんでしょうか?

金城社長:いえ、むしろシャツは予想よりも売れたんですが、同じ生地で作った浴衣が大外れをしてしまったんですよね。シャツを売った後に浴衣を売り出して、そこから帯を売り出そうと考えていたんですがそれが一気に崩れてしまって。
当時は本当に人生について考えるほどお金で悩みましたね。

人との繋がりの大切さ

取材班:それは精神的にもかなりつらい状況ですよね…。それをどのようにして乗り越えられたんでしょうか?

金城社長:正直本当に綱渡りのような状態だったんですが、人との繋がりがあって乗り越えることができました。
前職で繋がりがあった方々から仕事を紹介してもらったり、ほかでプロモーションのお手伝いをさせてもらったりしてなんとか繋いできたという感じですね。
人との繋がりって本当に大事だなと思いました

取材班:周りの方々の支えというのは本当に大事ですよね。私もお仕事で色々な方にお話を伺っていると、沖縄の方ってやっぱりあったかいなと感じます。

コンセプトはやはり琉球紅型と父の魅力を表現していくこと

取材班:続いて御社のコンセプトについて伺ってもよろしいでしょうか。

金城社長:父のこだわりが琉球王朝時代の紅型を追求し、表現し続けることなので、私としても沖縄伝統工芸品の1つである琉球紅型を美しさの本質を追求し、体現している父の魅力を私なりに汲み取って、わかりやすく表現していくことですね。

取材班:お父様の魅力をご子息が伝えていくというのはとても素敵なことですね。ちなみに同じように伝統工芸のものを作られている会社はほかにもあるんでしょうか?

金城社長:伝統工芸を活用した商品や、かりゆしウェアを作られているところはたくさんあると思います。
ただ普通はどこかシャツを縫って頂ける事業者さまとコラボして、かりゆしウェアなどの二次製品を制作する所がほとんどで、うちのように父親が熟練した技術を持っている職人にもかかわらず、息子が継がずにプロモーションだけをやっているというのは、かなり珍しいと思いますね。

取材班:なるほど…。それだけお父様の想いとこだわりが強いということですよね。あわせて御社のアピールポイントや何か独自のものあれば教えていただけますか?

金城社長:紅型の型紙をそのままデザインにして表現しているのはうちだけだと思いますね。あと紅型はもともと型染で、どうしてもカラフルになりがちなので、一色で染めているというのもうち独自の発想だと思います。

「美しさ」を作り上げる職人のこだわりを伝えていきたい

取材班:それでは、今後はどのように事業を展開されていきたいとお考えでしょうか?

金城社長:紅型の美しさについて、何が美しいかを分かりやすく説明していきたいですね。
おそらく紅型をはじめて見られた方は、皆さん美しいとはおっしゃると思うんですよ。ただ本当の美しさというのは職人自身のこだわりまで理解できて初めて感じられるものだと思うので、そういう「職人が追求したこだわり」を伝えていきたいと考えています。

取材班:なるほど。我々はどうしても商品という形でしか受け取れないので、そこまでしっかりと汲み取ることは中々難しいですよね。

金城社長:そうですよね。職人の方々というのはそれぞれのこだわりを追求しながらもその表現方法を探し続けている方々だと思うんですが、私も父の考えを理解するまでに何年という年月が掛かりました。
それを皆さんにより分かりやすくお伝えしていって、「だからこの作品は美しいのか」と分かっていただけるようになればと思っています。

取材班:たしかに、ただ考えれば考えるほど難しいようなテーマですね…。

金城社長:そうなんですよ。紅型の今までの形だけだとどうしても分かりづらいということもあると思うので、違うジャンルや様々な角度で見てみて「どうすれば伝えられるか」を追求していこうと考えています。

良いも悪いも、やってみないと分からない

取材班:最後に起業したい方へのメッセージをお願いします。

金城社長:何事もやってみないと分からないですし、まずはやってみることですね。良いも悪いも、やってみることで初めて経験できると思います。
それにやらないで悩むくらいなら、やって悩んだ方が絶対に成長できますよ。

取材班:まずはやってみて、色々と経験することですね。金城社長、本日は素敵なお話をありがとうございました。

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「琉球紅型師、金城昌太郎の魅力を伝えたい。」と真っ直ぐに語る金城社長。
「自分が継ぐと技が劣化する」とも語り、琉球紅型とその体現者であるお父様の魅力を表現していくことに全力を注ぐ金城社長からは、お父様と琉球紅型に対する絶対的な信頼と想い入れ、そして大きな覚悟を感じました。

そんな金城社長が新たな視点も取り入れながら、琉球紅型の魅力を最大限に発信する金城プロモーション様の事業所情報は、下記よりご確認いただけます。

事業所名 金城プロモーション
アクセス
住所 〒903-0825
沖縄県那覇市首里山川町1丁目60
電話番号 098-886-7796
公式HP https://kinjyo-promotion.net/kinjyo-promotion/

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