「利用者様と最後まで関わりたい。」という想いでリハビリに特化したデイサービスを開所した。株式会社いちまん会・上原社長の起業エピソード

「沖縄の経営者特集!」第41弾となる今回は、糸満市にあります株式会社いちまん会の上原社長をご紹介します。

ここにしかない事をやろうと、職員と一緒になってアイデアを出し合い、皆が楽しめるデイサービスのスタイルを打ち出している株式会社いちまん会。

そこに通われる方の気持ちをガッチリと掴む施策、そして職員のモチベーションを高めたまま維持させていくアイデアの数々、経営者であれば経営のヒントにしたいエピソードや、今実際に行っている組織運営に関してお聞きしてきました。

最後まで利用者様と関わりたくて起業した

取材班:早速ですが、起業したきっかけを教えていただけますか?立ち上げはいつ頃でしょうか?

上原社長:平成24年の7月に開所しました。それまでは理学療法士として急性期や回復期の病院、デイサービス等で勤務していました。

入院日数の制限からリハビリ途中の患者様が不安を抱えながら退院しなければならない状況に心を痛めたのがきっかけで、最後まで住み慣れた地域で関わりたいという思いが強くなり、リハビリに特化したデイサービスを起業しようと考えました。

取材班:起業するにあたっては、やはり勇気や勢いなどが必要でしたか?

上原社長:そうですね…あの頃は根拠はひとつもないのですけど、どうにか出来るものだと考えていました。
お恥ずかしい話なのですけど、貯金が100万円しかないのに、4,000万円借り入れしようとして、金融機関には融資を断られて大変な思いをしました。

取材班:根拠はないけれど、自信はあったんですね!

上原社長:ずっとリハビリの現場にいたので、経理の事も分からず、借入の1/3は自己資金で用意しないと駄目だとか、一から教えてもらいました。
実績がなかった事もあり、なかなか信用も得られずに悔しい思いもしましたけど。やはり成功して、助けていただいた人に恩返ししようという気持ちが大きかったです。

最初はやり方が分からなくて、事業計画書も収支予算書も手書きで作って、やり直しの繰り返しで、本当に大変でした。

まるでドラマのような、ゼロからのスタート

取材班:立ち上げの時が一番大変だったという感じでしょうか?

上原社長:立ち上げと最初の半年間くらいですかね?会計や社会保険、仕訳、給料計算など、運営しながら覚えて行き、税務署や年金事務所、ハローワークには何の手続きをするのか、そうした勉強から始めました。

また、オープニングスタッフは8名決まっていましたが、施設に関しては、融資がおりるかどうかも分からず、お金のない状態で工期だけ決まっていきました。

門前払いも含め、3社の金融機関から断られ、どうしようか悩んでいた時に、建築業をしていた地元の先輩や同級生が助けてくれて。
「軌道にのって儲かったらいつか返せよ」と言って、金融機関に内緒で工事を始めてくれました。開業の3ヵ月前に融資がおりて安心したのは今でも鮮明に覚えています。

取材班:それは上原社長の人柄と、信用によるものですね!素敵なお話です。
起業する際の辛い時期は、そうした周りの方達の支えもあって乗り越えられたのですね。

上原社長:最初の半年間は本当に苦労しましたね。計画性というより勢いで乗り越えたという感じです。
資金繰りも上手く回らず、今考えたら二度と出来ないと思いますけど、当時はあまり考えなかったですね。生活がかかっているにも関わらず、ついてきてくれた職員の為にも、やるしかないという気持ちだけでした。

利用者のニーズと職員の給料を上げたくて事業所を増やしてきた

取材班:そこから今は6事業所に拡大しているとは、本当に凄いです!

上原社長:2021年4月現在、デイサービス4事業所と、有料老人ホーム1 施設、居宅介護支援事業所を運営させてもらっていますが、事業所一つで止まってしまうと、売り上げの天井も決まってしまうので、職員みんなの給料や賞与を上げたいと思って事業展開をおこなってきました。

取材班:従業員の方が働きやすいように、いろいろ心がけていらっしゃると思いますが、何か独自のお考えや取り組まれていることがありましたらお教えください。

上原社長:毎月目標を決めて、達成したら3,000円の商品券が貰えたり、今は新型コロナウイルスの影響で出来ませんが、みんなで食事会を行ったりコミュニケーションを大切にしています。

福利厚生でいうと、福利厚生俱楽部に加入しプライベートの充実を図ったり、永年勤続年数の表彰や誕生日休暇等を設けています。

取材班:確かに、大切な取り組みだと思います。

上原社長:あと、開業以来大事にしている事は、無資格未経験でも差別をしないというところですね。いちまん会で頑張った分だけで評価をしています。

なので、仮に他所で5年・10年と頑張ってきたら、当然最初の基本給は経験年数分が変わりますが、入った後は、今までの学歴・経験は関係なく、半年に1回行う人事考課で、その期間頑張った事業所・職員に賞与を還元するような仕組みを作っています。

デイサービス4事業所あるがチェーン店にはしたくない

上原社長:いちまん会では、4 事業所のデイサービスがありますが、地域密着型(小規模型)、通常規模型、大規模型Ⅰ、大規模型Ⅱと規模別に分かれており、会社全体の理念とは別に、各事業所が決めた理念があります。

リハビリという軸はありますが、どこにいっても同じサービス、同じ内容ではなく、ここにしかないデイサービスを目指していますので、同じ法人でも職員や事業所の色も変わっています。

同じ糸満市でも地域性があったり、対応の仕方が違ったり正解がないから日々勉強で、面白いですね。

地元に恩返ししたいという気持ち

取材班:いちまん会様のコンセプトやアピールポイントがあれば教えてください。

上原社長:生まれ育った糸満に恩返ししたい気持ちがあるので、地域に根差した介護事業を展開しています。
各事業所の職員が頑張って、地域のゴミ拾いを行ったり、地域の公民館や保育園とも交流を深め、微力ながら少しずつ形になってきていると思います。

アピールポイントとしては、リハビリです。個別でのリハビリや少人数でのバランス訓練等、器具を使ったパワーリハビリ、あとはリハビリを兼ねた行事を大切にしています。
スーパーへの買い物会やオリオンビール工場、牧志公設市場やイオンライカムで美味しい物を食べる目的等があって、歩行訓練や階段昇降を意欲的に頑張られています。

取材班:楽しそうですね(笑)

上原社長:やらされるリハビリではなく、モチベーションを向上してもらう事が私たちの役割だと思っています。一人ひとり目標やニーズも違うので、「~がしたい」「~が出来るようになりたい」を大切にしています。
そうしていたら、やっぱり皆さんの表情も変わってきますね。

取材班:楽しみにできる目標があれば、ポジティブに頑張れますね。

1人1人がマルチになると少人数でも勝負できる

取材班:かなり独自の取り組みをされていて驚きました。他にも何かありましたら教えてください。

上原社長:介護保険制度は3年ごとに見直され改正されますので、介護事業における報酬も3年に1回変わります。

介護保険だけに頼った経営は難しいものがあるので、職員には保険事業とは別の保険外のサービスを考えて実行してもらっています。

例えば買い物代行や、1人暮らしの方も多いので弁当を作って届けに行くサービスなど。
他にも、汚れ物を持ってきてもらい、洗って、帰る時にお返しする洗濯サービスなどですね。

最近で言うとコロナの影響で買い物会等が去年の4月から中止になっていますので、今年の2月から自分の目で見て買い物が出来る移動販売事業も始めました。

そういったものを職員全員で考えながら、自分たちで提供しています。それに対しては保険外事業なので賞与で還元しています。

取材班:凄いですね!介護業界は給料が安いという話も耳にしますが、いろいろと工夫なさっているんですね。

上原社長:基本報酬等は自分達では決められませんし、定員も決まっていたりするので、その辺は自分たちのアイデアでやらないと難しいと思っています。

1人で何でも出来れば誰かが何かあった時にも少ない人数でもやっていけると思いますので、介護だからこれだけ、看護だからこれしか出来ない、事務だから分からないではなく、いちまん会の職員はみんながオールラウンドプレーヤーです。

みんなの努力と頑張りがあったからこそ、ここまで来られたと思っています。

起業したい方へのメッセージ

取材班:ありがとうございます。では最後に起業したい方へのメッセージをお願いします。

上原社長:経営は私の中では努力よりも覚悟と思っています。
人生一度きりなので、やると決めたら考より行(こうよりこう)が大事で、前から起業を考えているけど、中々一歩目を踏み出せない方の共通点は、「お金がないから」「新婚だから」「家族を養っているから」等出来ない理由を探しているように感じます。

経営を行う上で、小さな失敗の連続だとは思いますが、それが経験という財産になって、いつか大きな成果に繋がると思うので、出来る方法を1つでも2つでも考えながら、頑張って夢を叶えてほしいなと思います。

経営は努力も大事ですけど、覚悟があれば大丈夫です。

取材班:覚悟が大事。上原社長、貴重なお話をありがとうございました。

株式会社いちまん会の情報はこちら

今回ご紹介した株式会社いちまん会様には、利用者様とスタッフのことを大切に想い、大胆な起業を成功させた上原社長がいらっしゃいました。

穏やかな口調で語りながらも、人の喜ぶこと、モチベーションを保てる施策を次々と打ち出していくアイデアマンとしての一面も見せてくれた、上原社長のインタビュー。

そんな上原社長率いる株式会社いちまん会様の事業所情報は、下記よりご確認いただけます。

事業所名 株式会社いちまん会
アクセス
住所 〒901-0362
沖縄県糸満市字真栄里1415番地1
電話番号 098-840-8643
公式HP http://www.ichimankai8643.com/

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